新型iPhone発表 顔認証でロック解除など新機能搭載

9月13日 5時03分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170913/k10011137151000.html?utm_int=news_contents_news-main_002&nnw_opt=news-main_a

20170912 iphoneX
20170912 iphone8


アメリカのIT企業、アップルは12日、初代モデルの発売から10周年を記念して、指紋ではなく持ち主の顔を認証してロックを解除できるなど新たな機能を搭載したiPhoneの新型モデルを発表しました。

アップルは12日、カリフォルニア州クパチーノにある新しい本社でiPhoneの新型モデルを発表しました。
ことしは2007年にiPhoneの初代モデルが発売されてから10周年にあたることから、アップルでは、それを記念する「iPhoneX」と、現在のモデルの後継機にあたる「iPhone8」など3つのモデルを発表しました。

このうち「iPhoneX」は、価格が999ドル(日本円で10万円以上)という最高機種の位置づけで、来月27日に予約の受け付けを始め、11月3日に発売される予定です。
ディスプレーには鮮やかな色彩が表現できる有機ELパネルが初めて使われ、多くの動作の起点となるホームボタンがなくなるなど、デザインが一新されました。
さらにゲームアプリの「ポケモンGO」に使われて有名になった、現実の風景にコンピューターの画像を重ね合わせるAR=拡張現実の機能が強化されていて、新たに開発されるアプリによってこの機能を楽しめるようになります。

このほか現在のモデルの後継機に当たり、カメラの機能などが強化された「iPhone8」と「iPhone8プラス」も発表され、今月15日に予約の受け付けが始まり、22日に発売されるということです。

アップルのティム・クックCEOは発表会で「初代モデルは世界を変えた。あれから10年、この会場で次の10年を見据えた商品を発表する」と述べました。

今回の発表会は、宇宙船のような形をした新しい社屋の敷地内にある「スティーブ・ジョブズ・シアター」で行われ、新型のiPhoneだけでなく、創業者の名前を冠した会場にもメディアの注目が集まりました。


新型モデルの特徴は

初代iPhoneの発売から10周年を記念するモデルは、ローマ数字の「10」をとって、「iPhoneX」と名付けられました。

色鮮やかな色彩が表現できる有機ELパネルが初めて使われ、端末の表側全体が表示画面となるなどデザインが一新されました。
多くの動作の起点となるホームボタンはなくなり、画面にのせた指を下から上に動かすことでホーム画面を表示できます。

ロックを解除する方法もこれまでと異なり、搭載されたカメラで持ち主の顔をあらかじめ登録し、画面をひと目見ることで本人かどうか認証できるようになりました。
発表会では、本人の写真を使ったり、よく似た人物の顔で認証を試みても、ロックは解除できないと説明されました。

さらにゲームアプリの「ポケモンGO」に使われて有名になった、現実の風景にコンピューターの画像を重ね合わせるAR=拡張現実の機能が強化されていて、新たに開発されるアプリによってこの機能を楽しめるようになります。
この「iPhoneX」の本体価格は、日本では税抜きで11万2800円からとなっています。

また今回の発表会では、携帯電話の機能を搭載した腕時計型の端末のアップルウォッチ、それに画質が鮮明な4Kに対応したアップルテレビについても新しいモデルが発表されました。


iPhoneの10年

iPhoneは、アップルのカリスマ的な経営者だった故スティーブ・ジョブズ氏が開発を主導しました。
2007年1月に行われた“1号機”を発表する記者発表で、ジョブズ氏は「iPod、携帯電話、インターネット通信の3つの製品を1つにする。きょう、アップルが電話を再発明する」と製品の位置づけを説明しました。
ボタンを押して操作する従来の携帯端末と違い、画面を指で押したり、なぞったりして操作するタッチパネルによる使い勝手のよさとスマートなデザインは、世界中の消費者の共感を呼び、スマートフォンの中でも一躍、脚光を浴びました。

その後もアップルは、ほぼ毎年のように新型機を発表していきます。
電池はより長い時間持つように、画面やカメラの画質は、より鮮やかに性能が向上し、これに伴って、携帯音楽プレーヤーやデジタルカメラの市場を奪っていきました。

2008年には、スマートフォンでさまざまな機能やサービスを利用するアプリを提供するプラットフォームサービス「AppStore」を始めます。
世界中の企業や個人が開発したアプリがアップルが運営するプラットフォームを通じて利用者に浸透していくことになり、スマホの使い方が大きく広がるきっかけとなりました。

日本の携帯電話会社では、2008年にソフトバンクが初めてiPhoneの販売を始めました。
iPhoneの人気を追い風にソフトバンクが契約者の数を伸ばす中、それまでアップル優位の契約を結ぶことに難色を示していたKDDIとNTTドコモも追随し、iPhoneの取り扱いを始めました。
その結果、日本では、iPhoneがスマホ全体に占める割合は半数を占めるようになりました。

一方、iPhoneには日本のメーカーの部品が多く使われています。アップルが去年発表した日本の主な取り引き企業は865社に上り、年間の取引額は3兆円を超えるとしています。
この中には、多くの中小企業も含まれ、アップルが新製品を出すタイミングやその売れ行きは、日本メーカーの業績も左右するようになり、iPhoneは、日本経済全体にも少なからず影響を及ぼす存在となっています。


新商品を発表 アップル新本社は

アップルの新しい本社は、カリフォルニア州クパチーノのこれまでの本社からおよそ3キロ離れた場所に建設されました。
建物は宇宙船のような円盤型をしていて、壁一面がガラス張りになっているのが特徴で、6年前に亡くなった創業者のスティーブ・ジョブズ氏が構想したということです。

ジョブズ夫人はことし2月、この新社屋について、「スティーブはカリフォルニアの光と開放感にあふれた景観に魅せられ、刺激を受けてきました。存命であれば元気づけられたはずです」などとコメントしていました。

新しい本社への機能の移転は、ことし4月から始まっていて、最終的には1万2000人の従業員がこの建物で仕事をすることになります。

今回、新商品の発表会が行われたのは広大な敷地内にある「スティーブ・ジョブズ・シアター」という創業者の名前を冠した、1000人を収容できるホールで、初めて公開されました。

ティム・クックCEOは「スティーブの最大の贈り物は、1つの商品ではなく、アップルそのものだ。このシアターを彼にささげる。次世代のクリエイターやイノベーターを育てる場となるだろう」と述べました。


スティーブ・ジョブズ氏と共同でアップルを創業したスティーブ・ウォズニアック氏は会場でNHKの取材に対して「シンプルでむだのない美しい建物だ。スティーブ・ジョブズ・シアターという名前がまさにふさわしい」と述べました。